クラックが引き起こすリスク

前回ブログでクラックに関して触れましたが、今回はクラックが引き起こしてしまうリスクに関してお話をしていきたいと思います🙋‍♂️

「構造クラック」も形で危険度が変わる🤦‍♂️

国土交通省の規定では、0.3mmを超えるひび割れを「構造クラック」としています。その理由はこの割れ幅が大きいと、ひび割れから雨などがコンクリート内部に入り込み、中の鉄筋や鉄骨を腐食させてしまう可能性が高いからです。コンクリート造の建物は、必ず中に鉄の構造体が入っていますので、その鉄に影響を与えてしまうひび割れだから「構造クラック」と呼びます。 さらにその構造クラックも、その形で危険度がかなり変わってきます。中には重大な欠陥がわかるひび割れの形も!?

 

髪の毛のようなひび割れだから「ヘアクラック」

「ヘアクラック」と聞くと何のことかわかりにくいですが、「ヘア」と「クラック」と分けると、わかりやすいと思います。つまり「ヘアのようなクラック」で、「髪の毛のようなひび割れ」と言うことになります。髪の毛のように細いひび割れという意味となりますが、実は建築士としては縮れ毛のような形状という意味もあります。ひび割れを見て、縮れた髪の毛っぽく見えたら「ヘアクラック」と認識できることでしょう。 国土交通省の0.3mmという規定もありますが、ヘアクラックでも0.4mmのものもあり得ますので、数値よりもこの「縮れた髪の毛」のような形状の方がわかりやすい思います。

 

「垂直水平ひび割れ」は比較的危険度が少ない構造クラック

建物は、斜めの部分があっても、基本的に水平と垂直の構造体で構成されています。その垂直水平に平行してできた構造クラックは、危険度が比較的少ないと想定できます。地球には垂直方向への重力が常にあるので、建物にも同様にその重力がかかり、垂直方向ないし水平方向にはひび割れは発生しやすくなります。 そもそも、コンクリートはひび割れしやすい素材で、構造がしっかりしていてもひび割れは起こりえます。むしろひび割れが何年経過しても全くないものは、構造があまりに固く、地震時のような有事の際に一気に壊れる可能性も考えられます。 建物自体は固くても、地震時にはその振動を吸収するための柔らかさも建物には必要で、その結果、垂直水平方向のひび割れが生じることもあるわけです。ちなみに、この垂直水平方向のひび割れは、割れ幅や大きさにもよりますが、すぐに溝をふさぐ補修をすれば、特に大きな問題にはならない可能性が高いです。

 

「斜めひび割れ」はかなり危険度が高い構造クラック

垂直水平のひび割れは、すぐに大きな影響は少ないと推測できますが、斜めに入ったひび割れは要注意です。建物は垂直部材と水平部材で基本は構成されているので、斜めのひび割れが発生すると言うことは、その建物の構造バランスが悪いと推測できます。もちろん大きな地震などで、想定以上の負荷がかかると、建物のバランスも悪くなり、この斜めのひび割れができる可能性もありますが、地震時以外にこの斜めのひび割れが発生したらその建物は要注意と言うことになります。 しかも、この斜めひび割れは補修しても、建物のバランスが悪いので、すぐに別の場所で同じような斜めひび割れが発生することが多いです。斜めひび割れが発生したら、ひび割れの補修もさることながら、根本的に建物そのもの耐震補強を検討することをおすすめします。

 

「バツのひび割れ」は重大な危険度を示す構造クラック

斜めひび割れだけでも危険度が高い構造クラックですが、これがクロスしてバツになるひび割れは、重大な危険性を示す構造クラックとなります。斜めひび割れだけなら、建物のバランスが悪いだけなので、耐震補強などで十分対応可能ですが、このバツのひび割れになると、根本的に建物に問題がある可能性が高いので、耐震補強だけでは対応しきれない場合もあります。中でも柱にこのバッテンひび割れが発生したら、その建物には重大な危険度が潜んでいる可能性がかなり高いということになります。 このバツのひび割れは、大地震の時によく見られるひび割れで、それほど大きな負荷がかかるときに発生するものですが、大地震でもない時に発生するとなれば、その深危険度の高さは明確です。バツのひび割れが発生したら、耐震補強も大規模なものが必要になり、場合によっては、改築や建て替えまで必要になる場合もあります。

クラックは、割れ幅よりもその形で建物の危険度が分かります。
「髪の毛」「垂直水平」「斜め」「バツ」の4つで、クラックの危険度を判断してみてください💁‍♂️
もちろん、例外もありますが、基本的には形でその建物の状態を推測できるかと思います。
建物の状態を確認する時は、ひび割れを隠せない「タイルや塗装がない場所」をチェックしてみてください。

 

クラックが引き起こす住まいのリスク😩

外壁は雨風や紫外線、温度差から私たちを守ってくれる盾の役割を持っています。当然外壁が健康状態にあればその役割を十分に果たし、私たちの生活やお住まいを守ってくれますがそうでなければ外壁自体が私たちの生活を脅かすリスクとなってしまいます。特にクラックは外壁に隙間を作り、雨水の浸入を許してしまっている状態です。
このような状態が長期間放置されたままだと建物を支える構造体にまで悪影響を及ぼし、外壁材の剥離や内部構造の崩壊を招いてしまう事にもなりかねません。

 

室内への雨漏り

雨漏りは外壁が原因になることも珍しくはありません。例えば窓枠から雨がにじみ出てくる場合、サッシではなく窓周りの外壁の割れから雨が浸入しているケースもあります。屋根からの雨漏りは階下へ伝うことが多く分かりやすいのですが、クラックから入り込んだ雨はそのまま外壁内部を伝い思わぬ箇所から現れる場合もあるので非常に厄介なのです。そして浸水に気が付かないままでいると下記のような被害を生むこともあります。

構造体の劣化・腐食

木造住宅であれば外壁内部の構造体は木材、鉄筋コンクリート造(RC造)であれば鉄筋が使用されています。いずれも木材や鉄にとって水分が大敵であることはご存じのことと思います。通常木造住宅であれば雨水の浸入があっても外壁材の下には防水紙があり構造部分にまで浸水することがないよう防いでくれています。しかし長期間この状態が続けば、水分や湿気が防水紙を傷め、劣化させてしまうことで構造体にまで水の浸入を許してしまう事になります。当然木材が長期間湿った状態で放置されればカビの発生や木材腐朽菌による腐食は避けられず、お住まいの耐久性をみるみる落としていく結果となってしまいます。また鉄筋コンクリート造(RC造)であれば、新築時にコンクリートのアルカリ性によって守られていた鉄筋が、クラックより浸入した水分や空気によって、徐々に耐食性を失い酸化し錆(金属の腐食)を発生させてしまいます。当然鉄筋が錆び、強度を失えば建物自体の強度を下げてしまう事になります。

爆裂現象

聞こえが物々しさを物語る言い方ですが「爆裂」とは外壁内部の鉄筋が錆びたことで体積が増し、膨張することによって表面のコンクリートやモルタルを内部から押し出し、破壊してしまうことを言います。当然コンクリートやモルタルが剥がれた箇所から、さらに雨水が浸入することで劣化が進み、どんどん腐食を進めてしまいます。

何度もお伝えしますが、ご自身で興味を持つことが被害を最小に抑えるためのリスクの早期発見につながります👍
分からないからと言ってすべてを業者任せにすると、業者に騙されることもあります。金額が高いだけに悪徳業者にお願いすることだけは避けてください。 大切なお住まいです。ご自身の手でも守るためにぜひ定期的な点検をお勧めします🙇

 

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