シーリングとは?? シーリングの種類や用途などを解説

シーリングってよく耳にするけどよくわからない、ホームセンターでも見かけるし安いし自分でできそう/・・は危険です。(>_<)

今回はそんな時に役立つシーリングの種類や用途を解説していこうと思います。

シーリング工事って何??

シーリング工事とは建物の「外壁ボード間のつなぎ目」や「外壁とサッシの隙間」など動きの多い目地または隙間などに高度の防水性・機密性等を確保することを目的とした工事で、他にも建物のクラック(ひび割れ)部分の補修などにも使用される場合もあります。シーリング工事を行うことによって、建物の隙間からの雨水の侵入を防ぐ事ができます。さらに最近多くなってきた地震で建物が揺れた時や強い風の風圧を受けた時に、目地(外壁ボードの継ぎ目)の動きにも追従し伸び縮みをして揺れを吸収し建物を漏水などから守ることがシーリングの主な役割です。建物の隙間を埋めたシーリング材がその役割をしっかりと果たすには、定期的なメンテナンスが必要になります。常に外部環境にさらされるシーリング材は、太陽の紫外線の影響を受けて、役5年経過するとひび割れ、肉やせ、剥離などの劣化がはじまり柔軟性がなくなり建物の揺れなどを吸収・追従できなくなり建物全体の劣化を早めてしまうことになります。そのため、定期的にシーリング材の状態を確認し前回の工事から何年経過しているのか把握して次回の工事に備える必要があります。

シーリング材の種類

一般的に、シーリング材、コーキング材という場合は、不定形シーリング材のことを指しています。弾性シーリングあるいは弾性シーラントとも呼ばれ、施工時には高粘着性のある不定形材料の総称です。使用する前は、私たちに身近な歯磨き粉のようなペースト状をしていて、シーリング材を充填すると、変化を起こしてゴム状に硬化します。不定形シーリング材には、次の二種類があります。

  1. 1成分形(湿気・乾燥硬化型)空気中の湿気と反応し硬化するタイプと、空気中に乾燥硬化するタイプがあります。
  2. 2成分形(反応硬化型)空気中の湿気や酸素と別途用意した硬化剤を混ぜることで反応硬化します。2成分形は1成分形と主材と硬化剤を専用機材で撹拌し反応により硬化します。

主なシーリング材の成分と概要

シリコーン系シーリング材

  • 特徴:耐熱性、耐候性が良い
  • 欠点:目地周辺を撥水汚染する。塗料材がのらない(はじく)使用用途を間違えると後処理が大変
  • 主用途:ガラス廻りなど

変成シリコーン系シーリング材

  • 特徴:露出仕上げが可能、塗装材がのる(上から塗れる)汚染が少ない、用途対応が多く種類が多い
  • 欠点:薄層未硬化現象が生じる場合がある(MS-2)
  • 主用途:カーテンウォール目地など(ガラスは用途としない)サイディング目地など

ポリサルファイド系シーリング材

  • 特徴:表面仕上げ性がよい、接着性が安定している
  • 欠点:高温、高湿時に発砲の恐れ
  • 主用途:石材、タイル目地など

ポリウレタン系シーリング材

  • 特徴:安価である、塗装適正は良い
  • 欠点:耐候性が劣る、露出仕上げができない、高温、高湿時に発砲の恐れ
  • 主用途:塗装仕上げ目地

アクリル系シーリング材

  • 特徴:塗装適正が良い、水性であるため安全
  • 欠点:体積伸縮が大きい、未硬化時降雨での流失、0度以下での施工不可
  • 主用途:ALC板間目地、間仕切りなど

以上のようにシーリング材といってもざまざまな成分、用途、適正があるので安易に、ホームセンターなどで購入して施工してはいけないのです。必ずそんな時には専門の業者さんに相談してみましょう。(現在不安があり業者に無料見積をご希望の方はこちら)

シーリングの劣化について

シーリングの寿命は5~10年です。弾性があり動きが生じるシーリング材は他の建材と比べ劣化しやすい特性があります。また外壁と同じく紫外線や雨ざらしの環境で使われることが多いため日々劣化がすすんでいきます。それに加え建物の立地条件や日照条件、地域の気候状況、近年増加しつつある地震等が重なりシーリング材には大きく負担がかかり劣化の進行具合が10年前と比べても早まっています。5年~10年と幅があるのは上記のようなシーリング材が使用されている場所、成分や商品グレードによって劣化具合が変わってくるためです。いずれにしても他の建材より耐用年数は短いため劣化を見つけたら定期的にチェックを行い専門業者に依頼してシーリング工事などでメンテナンスを行いましょう。ではシーリングが『劣化』するというのはどういった状態でしょう。見た目にも大きな変化があるので比較的見分けやすくなっています。下記では主な劣化状態を紹介します。家のシーリングがこのような状態になっている場合は雨水などが入り雨漏りの原因となる可能性がありますので注意が必要です。

硬化 シーリング劣化初期

シーリングは建物の動きに合わせて伸縮しクッションの役割をしています。硬化は劣化の初期状態ですが硬く劣化することで伸縮性が落ちこの状態で建物の動きを吸収しようとすると負担がかかりひび割れや亀裂に進行します。

  • 亀裂・ひび割れ・劣化の中期

硬化した状態を放置すると表面に細かなひび割れや亀裂が生じます。亀裂が入った隙間部分から雨水が侵入して雨漏りの原因となるとも考えられます。この状態がみられたら要注意です。特に雨の当たりやすいところは入念に確認を行いましょう。

はがれ・隙間 シーリング劣化末期

建材と建材の間に隙間ができシーリング材が剥がれてしまう状態です。本来隙間をうめて防水性を高めるシーリング材ですが隙間ができてしまうと当然雨水が入る経路ができてしまい雨風の影響で雨漏りの可能性が高くなります。

剥離 シーリング機能終了

剥がれたシーリングが完全に取れてしまう状態です。すぐにでもシーリング工事が必要です。防水機能が失われた状態の為雨漏りが起こっている場合はこの箇所が原因になっている可能性が高く、もし雨漏りがおきていなくても建物内部でサビ・腐食がおこっていると思われます。上記の状態まで放置していたとなるともちろん他の建材や塗装材の劣化も考えられます。多くの場合塗装工事と一緒に行うケースが多いですが先ほどご説明したとおり耐用年数が短いため先に劣化が進行していきます。シーリングの劣化が目立つ場合はシーリング工事を依頼しましょう。

シーリング工事の手順について

シーリング工事には既存のシーリングに上から新しいシーリングを充填する増し打ちと既存のシーリング材を取り除いてから新しいシーリング材を充填する打ち替え工事があります。今回は打ち替え工事の工程をご紹介します。

  1. 既存シーリングの撤去 → 既存のシーリング材をカッターや専用機器を使用してきれいに取り除きます。
  2. 清掃 → 新しいシーリング材を充填する前に密着性をあげるためにきれいに清掃を行います。
  3. バックアップ材・ボンドブレーカーの取付 → シーリング材を充填する前に建物の動きについていけるようにするためバックアップ材やボンドブレーカーを取り付けます。バックアップ材とは目地の深さを調整し三面接着を防止するものです。外壁のシーリング工事はスムーズな動きを確保するために建材との二面接着が基本です。
  4. マスキングテープによる養生 → シーリングがはみ出して余計な箇所につかないように充填するところへ沿ってマスキングテープで養生し保護をします。
  5. プライマーの塗布 → シーリング材と建材の接着性を上げるためプライマーを塗布します。塗布前にはゴミやほこり、また濡れていないかを確認します。
  6. シーリング材の充填 → コーキングガンと呼ばれる専用器具を使って新しいシーリング材を充填します。ここでどの種類(成分)のシーリング材を使用するか、充填量は適切か、空気が入ってないかなど職人さんの技量で仕上がりやその後の耐久性に大きく影響してきます。
  7. ならす・押さえる → 充填したシーリング材を専用ヘラを使用して圧着させます。表面をきれいに整えながら密着性をあげ余分なシーリング材を除去します。

シーリング工事完了 → シーリング材が乾燥するまえに養生テープをはがして完了です。

一見地味な工事に思われますが建物の防水機能を維持するためには欠かせない工事です。また用具類も比較的に手に入りやすく簡単そうに見えるためDIYでやられる方も多くいらっしゃいますがやはり仕上がりや効果を最大限発揮させるためには専門の業者に依頼するのが良いと思われます。 (弊社へのお問い合わせはこちら)